(第11回) からだづくり講座 コラム1
トレーニングを始めるにあたって
体幹部のところでもお話ししましたが、そもそもアメリカンフットボールの選手として体づくりをするということがどういうことなのか?なぜ必要なのか?について、改めて書いてみようと思います。からだづくりの観点でゆけばより大きな自らをより速く動かし、それを試合を通じて継続し、コンタクトする相手に対して大きな運動量を与え、そして打撃に対して身体が破綻しないように耐性をつけることが目的として言えるでしょう。そのためには筋力トレーニングは有効な手段です。コンフォートゾーンと言われる身体があまりストレスを感じない様な負荷や動きを少し超えて、過負荷というストレスを加えることで身体に適応を促します。この適応を引き起こすには身体に回復のチャンスを与える必要があります。回復の必要な時間と栄養そして環境を与えることで身体はより強く、大きくなります。言い換えればトレーニングはそのために必要な刺激であり、体を大きく強くするのは休息と栄養なわけです。よくアメリカの栄養士がYou are what you eat, と言います。これは、あなたは自分が食べたもので出来ているということなのです。
さて、適切にトレーニングの効果を出すためには休息、栄養、そして、トレーニングを適切にバランスするにはプログラミングというトレーニングの短期、中期、長期的なスケジューリングをする必要があります。長期的なトレーニングのプログラムというと途方もない感じがするかもしれませんが、トレーニングを始めてそこからどのように上級者になって行けるか?と考えればわかりやすいかもしれません。この長期的な観点からみると初心者はパフォーマンスを考えて重たい重量を挙げる前にその時点で適切に出来る重量でキチンと行えるようになることが大事です。キチンと行えるということは、適切に力を伝える事が出来る、ということです。その為には中級者以上の選手に比べ、高い頻度で基礎的な事を続ける必要があります。例えば同じエクササイズを中級者は週に1〜2回行うところを初心者は3〜4回行っても良いのです。基本的な出力の仕方を身につけたら、今度は大きな力を出せるようにしましょう。大きな力を出せるようになるためには正しいテクニックで継続的に過負荷(筋肉にとってストレスになる負荷)を加え、筋肉を強く大きくし、それぞれが働きあって大きな力を出せるようにしなければなりません。
こうしてトレーニングを続け、きちんと休息し、適切な栄養をとる事で体はストレスに適応し強く大きくなってゆきます。大きいだけでなく強い体はアメリカンフットボールでは必要不可欠なものです。なぜならばこのスポーツは体をぶつけ合うスポーツだからです。このスポーツでより上手になり、強いチーム二なるためには十分な練習と試合経験は欠かせません。しかしながら、体が弱ければ、けがが増え、十分な練習ができなくなります。よりよい選手、より強いチームになれるためには体づくりは必要不可欠なのです。
そして、何よりも大事なのが自分の身を守る事です。コンタクトスポーツであるアメリカンフットボールでは自分が弱くても相手もそれにあわせて弱くはなってくれません。自らがより強くなる事で様々なけがのリスクを減らす事ができます。特に重篤なけがは体の弱さに起因しておこる事も少なくありません。アメリカンフットボールというスポーツだけでなく、今後の人生においても健康に過ごせるようにするためには安全に留意して、体を強くする事が非常に重要なのです。
体を大きく強くするためにトレーニングし、休息し、栄養をとる事。激しく適切な練習を繰り返す事、そして安全にプレーする事はよりよい選手になり、今後の人生を過ごす為に重要な事なのです!!