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トレーニング

(第12回) からだづくり講座 コラム2

体作りと動き作り

最近は様々なトレーニング方法や、動きについての情報がインターネットなどでも多く流れています。様々な動き方についての議論がされています。辛くて時間がかかる体づくりよりも手っ取り早く”魔法の動き”を知って楽にうまくなろうと思うこともあるでしょう。確かに正しい動きを身につけることは非常に重要なことです。まさにそれはスキルを構築するファンダメンタルのファンダメンタルだからです。それでは、視点を変えて、正しい動きを身につける、という観点からトレーニングを見てみましょう。コラム1や、このからだづくり講座の最初にも書きましたし、長谷川コーチもビデオでおっしゃっていますが、体づくりは自分自身をコントロールして動かす能力を高めるというものも,耐性を高めたり、身体を大きくする以外の目的としてあります。それではこの自身をコントロールして動かす能力を高める為には何をしなければならないのでしょうか??地上にある物体である我々人間は力学の法則に背いて動くことは出来ません。力学の法則よれば大きな加速力を得るためには、重さが変わらない限りより大きな力を加える必要があります。そして、自分自身が加速することを考えるなら、地面により大きな力を加えて、それにより自身を押し出して加速する力を増すわけです。これを達成するためには、様々な目的に応じて適切な位置に身体をおいて、地面に適切な角度で力を加える事が出来る必要があります。何故適切な位置に身体をおかなければならないか?というと、人間は200以上の骨と600以上の筋肉で形成されている複合的な構造物だからです。それぞれの部位が目的に応じて適切に力の受け渡しを行える事が的確に動くために葉非常に重要なのです。ここでいわゆる”動き方”を身につける重要性が出てくるわけです。しかしながら、そもそもこの動き方を達成する為にはそもそも身体を固定したり動かしたりする能力が必要になります。しかもこれを速い速度で行えるようになるためには、さらに高いコントロール能力が必要になります。このコントロールはいきなり得られるものではなく、段階的に得る必要があります。では、どのように得られるのか??固定して身体を柔らかくすれば良い、ということで体幹とストレッチングでいいんじゃ???と考えてしまうかもしれません。実はこれらは本当に入り口でしかないのです。全身を使って押したり引いたりする。それを効果的に効率的により大きな力を出して行うことで、身体をコントロールする基本的に技術や能力を高めるステップとする事ができるのです。
自分の身体や重りを押したり引いたりすることを正しく、より大きな力で出来るようになることで、基本的な身体を固定して動かす能力を高める事ができるのです。その上で更に動きのある動作を身につけ初めることが出来るようになるのです。
そして、実は正しく行うことで、多くの動きに必要な出力を身につけることが出来ます。但し、”正しく”行うことが大前提です。そしてそれらをやりこんで、強くなることは大きな出力を出す事が出来るようになる良い”動き”のトレーニング”になり得るのです。

私は選手たちに正しい動き方やそのスキルへの運用について教えていますが、それを知ることは打ち出の小槌ではありません。正しい動きを知ることはパフォーマンス向上の入り口でしか無いのです。それをやりこんで、動きを意識せずに出力を最大に出し切るようにできるようになって、初めてその動きを”少し”身に付ける事ができたことになります。フィールドでは出力を自分のタイミングではなく、状況に合わせたタイミングで出来るようにならなければならないのです。それが安定的にできるようになって、初めてその動きを一つ身につけた、と言えるのです。
ここまでやり込むことで、身体は強く大きくなります。
ということは、正しくからだづくりに取り組むということは、動きづくりにもなっているというわけです。皆さんは生み出した力がどのように使われて伝わっているのか?というイメージを持つことが重要なのです。そして、情報を鵜呑みにせずに、これらの基本的なアイデアを元に精査する事がこれから先トレーニングを進めていくにあたり非常に重要な事なのです。

何度も言いますが打ち出の小槌はありません。もしあったとしても、それは大きく重たいもので、それを使いこなすための準備が絶対に必要なのです。

このからだづくり講座で紹介しているエクササイズは本当に基本的なものでしかありませんが、様々な動作のエッセンスを含んでいます。これらのエクササイズをやりこんで基本的な動きを身につけ、力を出せるようになり、そして実際に筋力が増し、身体が大きくなることで新しい動きを身につける次のステップにつながるのです。まずは最初の一歩を正しくそして歩みを止めずに行きましょう!