• 小
  • 中
  • 大

(第1回) 正しいテクニックで高いパフォーマンスを

4:24 PM

 こんにちは、リクシルディアーズのアスレティックパフォーマンスコーチの朝倉です。このJAFAフットボールアカデミー、体づくりプログラムではフットボールをこれから始める皆さん、そして現在選手としてプレーしている皆さんにトレーニングについての知識を広く紹介するために行われています。トレーニングを学ぶのに完全に自己流で始めるのはあまり安全でないことが多いのです。特に始めてトレーニングを実施する時にはトレーニング指導の専門家に指導を仰ぐことをお勧めします。もし周りにトレーニング指導の専門家がいない環境でトレーニングする方は是非このビデオを参考にして欲しいと思います。

 トレーニングはフットボールのスキルをよりパワフルに安定的に連続的にそして効果的に実施するために行います。そのために、体からの出力を増し、より効率的に移動したり、末端を加速できるようにしたいわけです。また、コンタクトスポーツであるアメリカンフットボールにおいてヒットの時の運動量、すなわち体重×速さを増すために身体のサイズをある程度大きくする必要があります。2013年のNFLコンバインのDEのデータを参考に見てみましょう。平均身長は191.45cm, 平均体重は120.90kgで40ヤード走は4秒69で走り、立ち幅跳びは3mを超えます。これらの数値がフットボールのパフォーマンス全てではありませんが、多くの日本人選手よりも優れた数値であり、その点は明確な違いとして見ることが出来ます。しかしながらこの数値も過去10年で変化しています。10年前は同じ身長体重の平均値で40ヤード走の平均値は4秒91、立ち幅跳びは2m80ほどでした。正しい、より合理的なトレーニングの計画と実施により選手たちは継続的に進化し続けているのです。こんな選手たちも高校や大学1年の頃はここまでではありません。むしろ日本人との差はその時点ではまだ小さいのです。それはU19の試合の結果を見てもわかるとおりです。それでは我々はどのように強くなってゆけば良いのでしょうか??そのためにはまず、基本的なトレーニングを行える技術を身に付け、関節や筋肉がより大きな出力を発揮出来るように適応しなければなりません。その為にはフットボールがうまくなるために自分は何をしているのか?ということを常に考えながら、短期的、中期的、長期的な目標を立てながらトレーニングを実践してゆく必要があります。すなわち、週単位、月、シーズン単位、複数年単位でそれぞれ達成したい目標を立ててやってゆく必要があるのです。そして、それらはエクササイズに関しての目標立て(挙上重量やテクニックなど)だけでなく、それらを生かして、スキルの向上に関しても短、中、長期的目標を立てて取り組んでゆくべきなのです。

 その為にはトレーニングだけでなく正しく、休息し、必要な栄養素を取る必要があります。極短期間激しいトレーニングをしたからといってすぐに人間は強くなるものではありません。長期的に少しずつ変化してゆくものなのです。

TR01-01

 過ぎたるは及ばざるがごとし、適切な量やタイミングでトレーニングを正しく実施することが何よりも重要なのです。

 基本的なレジスタンストレーニングに取り組み技術を身につけ、結果として挙上重量が向上したりパワーが増したりすることはフットボールの動作のクォリティと再現性を高めるために非常に重要なポイントです。

 このプログラムでは、幾つかの基本的なレジスタンストレーニングを紹介しながらトレーニングについてのトピックについてお話ししてゆきます。皆さんと一緒にトレーニングの指導をしてくれるコーチに代われるものではありませんがこのビデオの中ではいくつかの重要な気をつけるべきポイントを示しています。その点を注意して取り組むことでより激しい練習に取り組めるタフな選手になる為の一歩となってくれるはずです。

 フットボールはけがをすることもあるコンタクトスポーツですが、トレーニングでのケガは絶対に避けなければなりません、そのためにも正しく実施することが非常に重要なのです。その為にも負傷をしている部分を無理やりトレーニングはしてはいけません。ケガをしている、若しくは病気を患っている場合は必ず医師、トレーナーが実施可能と判断してもらってから参加してください。

 トレーニングを正確に、効果的に実施するために是非このプログラムを利用してみてください。

 今回トレーニングの大切さ関して、日本代表 森H.C. 日本大学 長谷川コーチ リクシルディアーズ 前田選手からコメントをいただきました。